- とおす
- とおす【通す】(1)通行・通過させる。 (ア)ある通路・地点を経由して向こう側へ人・物を移動させる。
「守衛さん, ~・して下さい」「車を~・さないため, くいを打ってある」「銅線に電流を~・す」(イ)人などが移動する道すじを設ける。 「海岸沿いに道を~・す」(ウ)人を室内へ入れる。 …へ案内する。 「客を応接間に~・す」(エ)穴や狭い所ヘ物を入れて向こう側へ抜けさせる。 「糸を針の穴に~・す」「部屋に風を~・す」
(2)(「透す」とも書く)物を隔てて色や音を見たり聞いたりする。「窓ガラスを~・して外を見る」「壁を~・して隣の話し声が聞こえる」「白き生絹(スズシ)に紅の~・すにこそはあらめ/枕草子 36」
(3)(「火をとおす」の形で)食品を加熱し, 熱をゆきわたらせる。「火を~・してから食べる」
(4)液体の中をさっとくぐらせる。「青菜をさっと熱湯に~・す」
(5)試験・審査などの関門を通過させる。 パスさせる。「法案を~・す」
(6)主張・意志などを強引に通用させる。「勝手な言い分は~・さない」「我(ガ)を~・す」「意地を~・す」
(7)(「徹す」とも書く)始めから終わりまで続ける。 (ア)全体に作用を及ぼす。「新聞にざっと目を~・す」(イ)(「とおして…する」の形で)始めから終わりまで休みなしにある動作をする。 「全曲を~・して聞く」「昼も夜も~・して働く」(ウ)(「…でとおす」「…をとおす」の形で)ある状態を続ける。 「一生を独身で~・す」「彼は小学校から高校まで一番で~・した」「和服で~・す」「外国旅行の間, 日本語だけで~・した」
(8)(「徹す」とも書く)話の筋道などが論理的に整っているようにする。「筋を~・す」
(9)先方にこちらの意向を伝える。「話は~・してある」「注文を帳場に~・す」
(10)(「…をとおして」の形で)…を仲介・媒介とする。「仲人を~・して縁談をすすめる」「受付を~・して面会を申し込む」「服装を~・して見た現代の若者」
(11)動詞の連用形の下に付いて, 最後まで…し続けるの意を表す。「ゴールまで走り~・す」「大冊を読み~・した」
〔「通る」に対する他動詞〕‖可能‖ とおせる︱慣用︱ 一念岩をも~・袖を~
Japanese explanatory dictionaries. 2013.